鳳凰三山
 



山行報告  
報告者 三宅 武   
山行日 平成22年8月7日〜9日  天候 晴れ 曇り 雨
 コースタイム 1日目
京田辺近鉄前 8時出発 ⇒ 青木鉱泉 17時着(宿泊)

2日目
青木鉱泉(5:00出発)・・・鳳凰小屋(12:30)・・・地蔵岳(14:00)・・・アカヌケ沢の頭・・・観音岳(16:25)・・・薬師岳(17:25)・・・薬師岳小屋(17:38 宿泊)

3日目
薬師岳小屋(6:00)・・・薬師岳を経て中道コース・・・青木鉱泉(12:20)・・・京田辺(20:00 着)
参加者  CL 三宅  SL 北村 
男性 : 山下、 梅澤
女性 : 新居
合計 : 5名
 山行報告 
北村さんの車で青木鉱泉へ。 2日目はドンドコ沢を登る。 途中の滝はそれぞれ特徴あり。 各滝に立ち寄りその素晴らしさと雄大さを堪能した。  登山道が緩やかになり鳳凰小屋に着き昼食とした。  今日は三山踏破するので、我々中高年だが元気を出して、まずは賽の河原への砂場を頑張る。  オベリスクに登りたいが、余りにも光輝しく感じ地蔵様を礼拝するだけにした。  続いて観音岳、薬師岳へと歩を進める。  右手には白峰三山前方には富士山、後ろを振り向けば甲斐駒、千丈、左手には八ヶ岳連峰、それはそれは日本百名山の多くを堪能した。  足元には自然環境の厳しさに耐えて美しく咲く高山植物タカネビランジが我々の疲れを癒してくれる。  3日目は生憎の雨天。 砂払岳には登らず(以前には縦走しているので)中道コースを下山した。 5人共元気に帰宅出来、良い思い出となった。
 
運に恵まれた仏の山 
 山下 隆
 

今年の夏山は、7月末の五竜・鹿島槍と8月初めの鳳凰三山に参加することを目標にしていた。前者に参加するには二つのトレーニングに参加し、合格証を獲得する必要性を感じていた。初めの修験業山のトレーニング登山では自分で自分に合格証を発行した。しかし、2回目の大普賢岳のトレーニングでは後半に膝が痛くなり、リーダーの直後を歩いたのに、気がつくと間隔がすぐあいてしまっていた。帰路の車中で、13時間*2日間の五竜・鹿島は諦めがついた。帰って、風呂に入り、痛かった膝を見ると、青紫の斑点があるではないか。なんだ 犯人はこいつか!知らない間にぶつけたらしい。原因は解ったが、気持ちを元に戻す意力は残ってなく、合格証は出せないともう1人の自分が言う。 

 本命の鳳凰三山は標高差1600mのアップ・ダウンの行程だ。高山病も心配だが、ユックリふもとから登るので大丈夫だろう。しかし、一日で1600mというのは、近場の例会2〜3回分の標高差で並ではない。北や中央アルプスではゴンドラやバスでかなりの標高まで行ってからなので、過去にあっただろうか?8年前の北アルプスの表銀座は標高差1300m.だった。今回を逃すと悔いの残る夏になってしまうので、能力限界を上げるための自主トレの頻度をアップして臨んだ。又、佐々木さんの名著やネットで山の情報を知ると、ますます行きたい夢ははずむ。天気予報ではメインのなか日は降水確率20%と問題ない。

 今日のメンバーは山友会の縮図だ。経験豊富な三宅リーダー、自称素人の新居さん、入会1年生だがチャレンジ精神旺盛で目下急成長中の梅沢さん、体力・気力十分で若手のホープの北村さん(鳳凰小屋の主人には4人の高齢者を案内するガイドさんかと間違えられた)、ツリ名人を1年前に返上したけどなんとなく不安感の残る小生の5人。一言でいうと、お互いのいいところや弱いところを補い合っての楽しい山行だった。又、天候が今一つで、あきらめかけていたのが一転して景色が広がったりがあり、刻々変わる山並の景色に満足できた。

三山の初めの地蔵岳を仰ぎみながらの急斜面の砂場を滑らないように、緊張の一歩・一歩をのぼり、皆が安全地帯に着いてホットした時、オベリスクは姿をしっかり見せていた。と思ったら、瞬時に霧のベールに包まれたりと。地蔵岳→観音岳→薬師岳と尾根歩きでもシネラマの変化を、雨に降られずに楽しめた。行動時間1010.5hrの予定だったが,12.5hrと長くなり年齢にふさわしくたっぷり時間がかかった。山小屋の主人には渋顔で迎えられたが。無事に計画通りの行程を行けたのはお地蔵さま、観音様、薬師さまのお陰だ。

帰路の日は山小屋の屋根に当る雨音でご来光はあっさりあきらめた。雨具を付け出発してすぐの分岐点の薬師岳に立つと、雨が上がりなんと昨夕会えなかった、北岳・富士山の素晴らしい勇姿があるではないか。正面に富士山を見ながら下り、樹林帯では花や植物を愛でたり、木々の隙間にのぞく八ケ岳を眺めたりした。雲海の高さまで下ると雨となり、青木鉱泉に着く頃は雲海の下となり、雨は上がる。鉱泉で汗を流しさっぱりした。帰路の車中は今回の山行やモロモロで興奮さめやらずの話しが止まらず、疲れているはずなのに誰もコックリする人がいなかったのは不思議なくらいだった。次は阿弥陀岳や釈迦岳に元気に行きたい。危険のところも多々あったがメンバーの協力で無事下山できてうれしかった。冥土岳は先送りとしよう。
 
 鳳凰三山への挑戦
 梅澤宗平
 

2010年度の僕の山行計画は以下の三つであった。

@月に3回は公式山行に参加する。

A六甲縦走に参加する。

B来年の3000m級登山のためのトレーニングを実施する。

 これでいくと鳳凰三山は来年の予定であった。ただ鳳凰三山の最高峰観音岳も2840mであり、3000m級とは言えないのかもしれない。今回の鳳凰三山は3000m級登山のためのトレーニングの一つにすぎなかったのであろうか?会員の皆様の判定を待ちたい。

7日、約束の610分を少し遅れて北村さんの車が約束の場所に到着する。今回の山行は参加人数が5名(女性1名含む)ということで北村さんの車と運転手(ご本人)をお借りしての山行である。思えば車山行も初めての経験であった。車は途中、木曽駒と宝剣岳を見ながら進む。清里にも寄ることができた。17時前に1日目の宿泊地の青木鉱泉に到着する。

85時にドンドコ沢コースを登っていく。薬師岳小屋との約束で16時までには小屋に到着しなければならないことになっていた。が途中見どころのある滝にいちいち立ち止りながらの登山であった。11時45分ごろ正面にオベリスクが見えてきた。ドンドコ沢コースも僕ら高年登山家にとってはドンドコドンドコというわけにはいかない。12時半ごろ鳳凰小屋に着く。宿の主人にお願いして昼食のためにテーブルと椅子を使わしてもらう。水もいただく。宿の主人が僕に聞く。北村さんはガイドなのかと。一番若いし、一番大きなリュック。北村さんもまんざらでもない様子。1330分ごろオベリスク下の賽ノ河原に到着する。砂礫に靴がズルズルと滑る。アイゼンを使用すればよかったのか?砂礫でアイゼンを使用した経験がない僕にはわからない。周りの登山者で使用している者はいない。僕は30分ほどで登りきる。地蔵が岳2764mのほぼ頂上に立つ。オベリスクは眺めただけなので「ほぼ」をつける。昨年の10月に山友会に入会させていただいて10カ月でここまで来れた。先輩の暖かいご指導のおかげである。一番心配していた高山病も出ないようである。頂上で東京から来た若くて美しい女性に集合写真を撮ってもらう。北沢峠から甲斐駒、仙丈を縦走してきたとのこと。北岳、甲斐駒、鳳凰の難易度を聞く。鳳凰が一番易しい。自分の判断に誤りはなかったと思う半面、少しがっかり。次の目的地観音岳に向かう。アカヌケ沢の頭に1436分に着く。途中、チンパンジーの横顔に似た奇岩を見つける1525分。その時は気付かなかったが笑っているように見える。途中16時到着が不可能なことを小屋に連絡。2840m観音岳山頂に到着1625分。北村さんに続いて山頂の岩場に登る。彼がブロッケン現象を見つける。雲を背景に虹が見えた。写真を撮ったがなにも写っていなかった。ガスの中を最後の目的地薬師岳に向かう。岩場とザレ場を尾根伝いに進む。2780m薬師岳山頂に到着1726分。これで鳳凰三山を縦走したことになる。薬師岳小屋に到着1738分。本格的な山小屋に泊まるのは初めてであった。残念ながら一睡もできなかった。日ごろの怠惰な生活に慣れている身にとって本格的な山小屋は過酷である。弱い自分を発見できたいい機会であった。持ってきたヘッドライトは使いものにならず夜中、手探りで雨の中をさまよった。あほやで。96時に薬師岳山頂から中道を青木鉱泉に下る。富士が見えた。八ヶ岳も見えた。途中、雨が降ってきた。青木鉱泉に到着1221分。初めての夏山登山はこうして終わった。ご自分の車を提供していただいた北村さん、CLの三宅さん、それから同行していただいた方々に感謝いたします。
 
観音岳から薬師岳への縦走路
 
薬師岳からの富士山
八ヶ岳を遠望